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ゼミ選び
※去年の新歓のときに院生の方が書いた文章を、ゼミ生が責任をもって編集しました。ゼミ選びにかなり迷われていることと思います。
天野ゼミを考えてない方でも役立つ内容になっていると思いますので、是非読んでみてください。

■東京大学経済学部のゼミとは

ゼミとは教授、ゼミ生による勉強会です。
各ゼミは教授の専門分野に従ってテーマで開講され、それに興味のある学生が教授の指導を受けると言う形です。

既にお聞きになっていると思いますが、このゼミと言うのが経済学部生において少なからず重要なポジションになります。
自らの勉強、教授とのコネ、学内での人間関係、OBの人脈等が詰まったものがゼミであり、
ゼミ選びと言うのは今後の人生において小さくはありません。
もっともそれほど大きくは無いと言うことを後にお話します。

  東京大学では、大学3年で本郷に上がって経済学部生になります。
本郷では授業も経済に関する授業ばかりであり、駒場とは比べ物にならないくらい専門的にな ります。
その中でゼミへの門戸が大学3年に上がると同時に開かれます。
先ほどいったとおり人生において「小さくは無い」影響を及ぼすゼミ選びを右も左も分からないような3年生にさせるわけですから、
まぁかわいそうなものです。だから経友会などがゼミオリを開催しているわけですが、それだけでは完全に把握できないでしょう。
そこでこのページを参考にしていただけたらよいと思います。

■ゼミってなにやるの?

  先ほどいったとおりゼミは勉強会です。
ですから、ゼミのテーマに沿った本を輪読することはどのゼミも共通です。
発表者が発表し、それに関してゼミ生がディ スカッションを行い、教授がコメントする、というのが99%の基本スタイルです。
また、ゼミによってはゼミの時間にOBが来て、企業紹介をしてくれるところがあります。(最近はあまりないかも)
大体リクルーティングを兼ねているので、勉強と言うよりそちらの面で有益かもしれません。

 

  そしてそれにプラスして共同研究やグループワークが入るゼミもあります。
これは「学生にも大学生としてしっかりとしたアウトプットを出して欲しい」という教授の強い意志を表していることが多いです。
また、卒論提出をゼミ教育の最終的な目標にしている教授も多いです。
こういう先生は大体ゼミ生の教育に熱心であり、ゼミ生を育てたいと言う強い意志を持った方が多いです。
もちろんこれらはゼミ生にとってそれなりの負担となりますが、ゼミ生同士の交流や先生との交流、
そして自分自身の成長のためには非常に有効だと思います。

 

 さらに企業訪問や工場見学が入るゼミもあります。
これもまた、社会人になったらそう簡単には経験できないことなので非常にありがたい経験です。
そこからいろいろなものを感じ取れれば、自らの成長につながると思います。

 

  今までの内容をまとめますと、基本的には教室で輪読。それだけで終わるゼミもあります。
そして卒業論文や発表などのアウトプットを出させるゼミ。輪読だけに比べたら負担は増えますが、意義はあります。
そして+αとして企業訪問や工場見学もできるゼミ。ますますゼミへコミットする時間は増えますが、その分リターンも多くなります。
私の認識だとこのような感じです。

 

 その他、スポーツ大会やゼミ合宿などがあります。これらはゼミの親交を深めるレクリエーションで、大体のゼミは行っています。

 

■どんなゼミがあるの?

 ゼミについての詳しい説明は各ゼミに聞いてください。しかし認識として以下のように分けて考えると良いかと思います。
非常に大雑把な分け方で批判を受けると思いますので、あくまでも入り口です。

   

 経済系とはいわゆるミクロ経済、マクロ経済や財政、開発経済、国際経済といったまさに「経済学」の部分です。
経済学部のゼミで一番多く、学問としての歴史も長いです。

  金融系とはミクロ経済やマクロ経済にもかぶるのですが、その中でもより金融に関することをやっているゼミです。
ここでは、金融におけるモデルなどを追求するものがミクロ、金融政策などを扱うものがマクロと考えてください。
もちろんその定義の「ミクロ」も「マクロ」もその目指すところは同じです。
あまりミクロ、マクロの言葉に縛られず、具体的な内容を見たほうがいいと思います。

  経営系は、「経営」に関するゼミです。ここにおけるミクロ・マクロの定義はほとんどありませんが、
戦略系や経営史がマクロ、それ以外がミクロと考えていただくとわかりやすいかもしれません。
経営系のゼミは数が少なく、やっていることも比較的分かりやすいと思うので、細かいところはゼミ生に聞くことを薦めます。
ちなみに天野ゼミは、「経営のマクロ」に入ると考えてください。本当はミクロも重視しますが、とりあえずそのように把握してください。

 会計系は2つしかありません。その名のとおり会計に関するゼミなので、会計を勉強したい人は見てみると良いと思います。

 こういうような中で自分が勉強したいものとのマッチングを図ってみてください。

 

■ゼミを選ぶときはどうすればいいの?

 「なるほど、ゼミについて分かりました、じゃあどう選べばいいの?」となると思います。
そこでここではゼミ選びのポイントとなりそうな要素をある程度ピックアップしておきます。
こちらも私の主観ですので、あまり文句は言わないでください。

 

 @ゼミを就職的観点から見る

 「ゼミは就職のための人脈作りの場だ」と考えること。
そうなると教授のネームバリュー、ゼミの歴史やOBの人脈、現ゼミ生の就職先なんかを重視すると思います。
いわゆる「人気ゼミ」はびっくりするほど素晴らしい環境を装備しています。

 

 Aゼミを学問的観点から見る

 「ゼミは勉強の場だから、やっぱり興味のあるところへ行って成長したい」と考えること。本来のゼミにもっとも合致した観点だと思います。
そうなると、ゼミの内容、教授の人となり(教育熱心か)、そこで与えられる学習チャンス(共同研究や企業訪問)、ゼミの時間などを参考にすると思います。
とにかく教育熱心 な方であれば様々な学習チャンスを与えてくれますし、気軽に相談に乗ってくれます。
だいたいそういう先生は社会人になっても気軽に接してくれるので、少し@とも被るかもしれません。

 

 Bゼミ論を人間的観点から見る

  「ゼミは勉強の場って言っても、やっぱり楽しくやりたい」と考えること。
就職と同様、この点はやはり多くの人において重要視されるでしょう。
そうなると、 教授の人となり(人間的魅力)、現ゼミ生の雰囲気、そしてゼミの内容(興味の無いテーマならつまらないだけ)を重視することになると思います。
ここは一番外からは見えにくいので、ゼミ説明会などでしっかりと見学されることを薦めます。

 

 Cゼミを単位取得の場と見る

  「ゼミなんてただの単位だ。一年当たり4単位だ」と言う視点。
この場合はゼミのぬるさを考えると思います。出席しなくても良いゼミ、先生がやる気のないゼミ・・・
言うまでも無いと思いますが、この視点は全く持ってお勧めできません。4単位など、他学部でも聴講すれば簡単に取れます。
それだけのためにゼミを やるならば、ゼミに入らないほうが良いと思います。

 

 以上の@〜B(Cは論外)のバランスを考えてゼミを選んでみたらいかがでしょうか?

 

 

■ゼミの選考や倍率について

 ゼミの選考や倍率も気になるところでしょう。倍率については各ゼミ生に聞くのがいいでしょう。もっとも大体低めにいいます(笑)

 

  さて、選考です。選考方法は各ゼミによって様々でその負担は違います。
まず書類選考だけか書類選考+面接か?その書類選考にもゼミによって負担が大きく違います。
これは皆様のゼミ募集要項を見れば一目瞭然です。そして面接も色々あります。
先生との面接、先生とゼミ生を含めた面接、グループディスカッションなどなど・・・
難易度的には面接があるほうが高くなります。もちろん難易度は基本的には倍率に比例すると考えてよいでしょう。

  そして意外に「駒場の成績」も重視されることがあります。
それは個人の能力を見ているというのもありますが、駒場の授業とゼミの授業がかぶる可能性があるからです。
4年になって「ゼミに来ない生徒は入れたくない」というのは当然の心理です。
ですから、そのあたりがどうなっているかは、ゼミ生に聞いたほうが良いでしょう。

 しかしそれでも選考に落 ちてしまう場合があります。倍率3倍ならば2/3は落ちるわけです。これを一般に「ゼミ難民」と呼びます。
この人数は毎年変動しますが、多いときは100 人くらい発生します。その場合どうするか?
もちろんゼミをやらないと言う手もありますが、ゼミがやりたいならば2次選考に進みます。
ここで受けられるゼミ は、1次で定員割れして追加募集を行っているゼミか、もともと2次募集を行うと決めているゼミです。
後者は「ダブルゼミ」を勧めるゼミであり、1次でたくさん人が来ても、確実に2次募集枠を1〜2人設けます。
2次選考に進む可能性を考えて、広くいろいろなゼミを見ておいたほうがよいと思います。あまり自分を過信しないほうが良いと思います。

 そんなわけで傷ついた心を抑えて2次選考に行きます。
ここで注意するのは、2次選考には「ダブルゼミ」を考えている生徒が参加していて、1次選考で落ちた生徒と全く差別されずに選考が行われることです。
1回落ちたことは別にプラスに働きません。上手く気持ちを切り替えて望みましょう。

  それでもダメだった場合・・・個別に教授に頼んで(もちろん定員がいっぱいでないところ)、入れてもらうしかありません。
教務課も関与しない「草の根活動」です。その場合は先輩などに相談すれば、そのやり方を教えてくれると思います。
天野ゼミ生にも詳しい者は何人かおりますので・・・

 

  暗く考えても仕方ないので、とにかく自分の気持ちとやる気を高めて、選考書類と面接にぶつけましょう。
それでほとんどの場合は受かります。選考基準の大部分は教授の腹のうちなので私は何ともいえませんが、
教育熱心な先生であれば「学習意欲のある生徒」「邪な気持ちを持っていない生徒」を取ると思います。

 

  一つアドバイスをしますと、ゼミ選びはリスクとの戦いです。3次募集で研究室を回るのは、さすがにみじめです。
上手くリスクをヘッジするためにも、広く色々なゼミを見ることを薦めます。
特に駒場の成績があまりにも悪かったり、自信が無くて不安を持っていたりする場合には、より多く情報を手に入れて、自分に合うゼミを見繕った方が良いです。
よって知り合いの先輩なんかに相談することを薦めます。ゼミ生に聞くのも手なんですが、彼らは一人でも多く呼び込むこと に必死なので、「大丈夫だよ。うちの先生は・・・だから受けな!!」と大体言います。
少なくとも「お前は向いてないから受けるな」とは絶対に言いません。
そういう意味では本当に自分のことを考えてくれているのか疑わしい部分がありますので気をつけてください。
もしもそういう先輩がいないのであれば・・・ まぁ下を読んでください。

 

■最後に・・・ゼミ選びにおける根本的な注意点

 以上、ゼミの内容とゼミ選びに関する要点をお話しました。
この長々とした情報を元に、皆様が真剣にゼミを選んでくだされば光栄です。

 

 ただ私の方から最後に注意点を挙げさせて頂くと、
やはり「そのゼミに自分が参加したい」と心から思えるゼミに入ったほうがいいということです。

  「ゼミは将来において大きいけど、そこまでではない」と言う話をしましたが、それでもゼミで得るものが大きいほうがうれしいに決まってます。
自分 が得たいものをしっかりと持ち、それが得られるゼミに入ることが必要です。
「友達があそこに行くから」とか、「なんとなくあそこに行けば大丈夫かな?」とかでゼミを選ぶことはどうかと思います。
あくまでも自分をしっかりと持ってゼミ選びをしたほうが良いでしょう。
「どのゼミがどのゼミより上」みたいなことを平然と言う人間の話は聞かないほうがいいです。
あくまでも自分の求めるものの中で優先順位を決めてください。これも、就職と同じです。

  そして忘れないで欲しいのは、ゼミは入るのが全てではありません。入った後に2年間ゼミはあるのです。
ですから、厳しい競争を勝ち抜いてゼミに入ってそれで満足してはいけません。
その中で自分が如何にいい人間関係を気付き、如何に学習していくか?
それが残りの2年間を無駄に過ごさないために必要なことだと思います。何度も言いますが、就職と同じです。

 

 3年生に上がっていきなりこんな選択を迫られて、お困りの気持ちは分かります。私もそうですし、皆そうでした。
その中で一人でも多くの人が満足できるよう に、私は趣味で応援します。
別に宗教の勧誘とか金を取ろうとか、何かしようと言うのでは一切無いのでご安心ください。
天野ゼミに入れとも言いません、入って欲しいですけど(笑)

 何か分からないことがあったらこちらの天野ゼミの掲示板に書き込むか、下記のアドレスまで遠慮なくメールしてください。
うちのゼミと関係ないことで結構です。私の知っている範囲内であればご相談に乗ります。
皆さんが満足できるようなアドバイスができるか分かりませんが、努力いたします。
もちろん「ここは違うんじゃないか」という指摘も結構です。誤っていれば改めさせていただきます。

(↓ここから先は本年度の連絡先です。天野ゼミのことに限らずなんでも質問してください!)
nao.ecoあっとまーくgmail.com(スパム防止のため、あっとまーくを変換してください)
東京大学経済学部 天野ゼミ ゼミ長

石村 尚也
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